「3.9+5.1=9.0?」について教える側として思ったこと
「3.9+5.1=9.0は間違いか」と最近話題になっていましたが、
この件に関して、塾で小学生相手に算数を教えている私の見解を書いていこうかなと思います。
ネット上ではこの件について、教師側が間違っているという意見も多くみられますが、
結論を先に言えばこの先生の指導は間違いだとは言い切れないです。
まず頭に入れておきたいのが、教える相手が小学生だということです。
詳しくは調べていないのでわかりませんが、おそらく小数と小数の簡単な足し算を扱っているため生徒の方は小4くらいの年齢でしょう。
それくらいの年齢だとおふざけ真っ盛りの年齢です。本当にもうふざけたくて仕方ない年頃なんですよね。
そんな子たちに「9でも9.0でも値は同じだからどっちでもいいよ~」なんて教えたら、「じゃあ9.0000000000000000000000000000000000000000でもいいの~?」なんて書き始めると思うんです。テストをしても解答用紙は".0000~…"のあらしになる可能性も十分にあります。
そういったことを防ぐためにも「小数に直す必要がないところは必ず整数にしましょう」と指導するのもわかります。もし、授業中にそう指導していたのならテストのときに「9.0」と書いていたら減点にしても構わないと私は思いますね。
あとは、上の記事にも書いてありましたが「9.0」の小数点をつけ忘れて「90」にする生徒もいるとありましたが、ああこれは納得納得。大人になり、子供にあまり接していないとそんなミスしないだろとか、そういうミスをする子はかなりレアなケースなんじゃないかと思う人も多いんじゃないでしょうか。子供は「本当にそんなところで間違えるの?!」と思うようなところでミスすることが多々あります。予想の斜め上の間違いをばんばんしてきます。そういうミスを少なくするためにもやはり整数に直す指導は間違いではないと思います。
じゃあ結局何が大事だったのかというと、このクラスの先生がどう教えていたのかがこの問題では重要なんです。
もし先生が授業中にちゃんと「9.0などの整数になったら9に直しましょう。もしテストなどで9.0と書いていたら△にしますからね。」と指導していたのなら減点は問題ないと思います。もし逆に、それをしっかり伝えていなかったのなら生徒の方がかわいそうです。9.0も9も値としては変わらないので(少なくとも算数の世界では)点数をひかれたらショックですよ。
おそらく、ここでは小数の計算の仕方について学ぶことが学習目標だったはずで、9と9.0の違いなんていう高尚な話は小学生相手にはきついものがあります(ある程度レベルが整っている塾ならまだしも、ごった煮の小学校で教えるのはめちゃくちゃ大変!)。中高生くらいになってから、9と9.0のもつ意味が違う世界に触れて行ってもらいたいですね。
ちなみに受験算数に限定していけば、9.0でオッケーとは絶対に言えないですね。入試で9と答えるところを9.0と答えていたら今回のように間違いにされる可能性も十分ありますし、そもそも9で済むところを9.0とかくメリットがないですね。書かなくていい.0をかく時間がもったいない。私も、変なクセがつく前に必ず整数に直せるところはひっ算の段階で整数に直すようにと教えると思います。
蛇足ですが、プログラミングの世界なら3.1+5.9=9.0じゃないと逆に間違いにされるのがほとんどですよね。まあいろんな世界があります。